みなさんこんにちは。ランニグクリニック編集長の宮川です。5月は一気に気温があがった日が多かったですね。春は走りやすい季節と思われがちですが、紫外線が強かったり、暑さにまだ慣れていない状況で急に気温が上がったりするので、体には結構負担になります。気象庁の調べによると、直近5年間のうち4年間で東京の5月の平均最高気温が25度を超えたとか。ちなみに、2019年は今の時点で5月の平均最高気温は25.4度で過去2番目に高かったようです。数字を見ても暑さの根拠を突きつけらますね・・・それだけでも暑く感じます。
マラソンは秋から冬にかけてのレースが多いため、春はいわゆる「シーズンオフ」となります。しかも、春はなんとなく目標を失って気が緩みがちで、それに暑さが追い打ちをかけるとトレーニングのモチベーションも下がってしまいがち。でも、春は来るべき次のレースに向けて準備するとても大事な時期です!どんな練習が必要かは人によって違いますが、こういう時期にこそ改めて目標を達成するための作戦を練ることを僕は強くオススメしたいと思っています。計画性のないトレーニングはなかなか成果が上がりませんしね。
今回は 目標達成のために押さえておくべき大切な3つのポイントについてお話していきたいと思います。
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目標達成のために押さえておくべき大切な3つのポイント
マラソンで目標を達成するためには何が大切なのでしょうか?この問いに対して明確な答えを出すのは案外難しいかもしれません。それぞれに自らの”トレーニング哲学”があり”走りの流儀”を持っている方が多いですからね。それを否定するつもりではないのですが、「このトレーニングをやったから、この結果が出た!」という思考は時と場合によってはその人の記録向上の妨げになることがあります。なぜ同じことの繰り返しには注意が必要か?はよく考えればわかりますよね。
人間は加齢に伴って体力(筋力、柔軟性、持久力などなど)が低下します。生活環境が変われば体も変わりますし、プライベートのイベントによってトレーニングできない時期も大抵出てくるので、毎年同じ状況になることはありえません。そういった中で自らのトレーニング理論を曲げずに突き通すことが適切なトレーニングにならないこともあり、柔軟に考えていく必要がでてきます。
そんな中、全てのランナーに常に共通する目標達成のために押さえておくべき3つのポイントは
(1)目標の設定
(2)現在地の確認
(3)時間の設定
だと僕は考えています。非常に基本的なことですが、この観点なしにトレーニングを組み立てることはできません。改めてこの基礎基本が理解できているかどうかを確認してみてください。一つずつ解説していきます。
その1:目標の設定
目標達成のために、一番大切なことは 「目標の設定」です。まぁ、当たり前ですね(苦笑)目指すべき目標が決まっていなければ何に向かって頑張るべきがわかならくなってしまいます。ゴールなき迷路はただ迷うだけですし、完成図のないジグソーパズルは完成しません。何においても目標設定は基本であり、超重要課題なのです。
ただし、皆さんの「目標設定」は本当に具体的になっていますか?どの大会でどれくらいの記録を出したいですか?具体的な数値&行動目標は宣言できますか?
目標が具体的であればあるほど、明確なトレーニングプランは立てやすいです。逆になんとなくいつか記録が出ればいいや~くらいだとどこかで妥協してしまったり、甘えが出たり、自分に言い訳したり・・・次から次へとできない理由が浮かんできてしまいます。それって良いことではないですよね!?
目標設定と簡単に言いますが、 設定の濃さが大事なポイントです。具体的ではっきりした目標はそれに向かうために何をすべきかがより明確になります。目標に到達できない可能性があるからあえて具体化しないという逃げ道を作りたい気持ちも分からなくはないですが、できる限り目標は具体的にしましょう。人間は立てた目標に近づこうと努力します。目標設定が高過ぎても、低すぎても、頑張る意欲は下がってしまうので、 想像できる中で最も高い「なりたい自分」を描くことがコツです!
【STEP1 目標の設定】
その2:現在地の確認
その次にやるべきは今の自分の「現在地の確認」です。自分の走力を見極めたり、自分の能力を把握することがそれに該当しますが、今の自分を知らなければスタートを切ることはなかなかできません。今の自分はどれくらいの走力があるのか?普段どんな練習をこなせているのか?最近のレースの結果はどれくらいだったか?などから 一番リアルな今の自分を確認するようにしてください。
また、中学生や高校生の頃に運動部に入っていたという方が大人になって久しぶりにランニングを再開しようと思った場合もこの「現在地の確認」はとても重要です。「現在地」を知らないと怪我をしたり、無謀なトレーニングになったりします。無謀で終わればいいのですが、怪我につながってしまうのはやはり避けたいところ。ここは 見栄を張らずに今の自分と向き合ってください。
運動経験がほとんどない方がマラソンを始める場合も一緒です。ビギナーの場合は無意識的に「現在地の確認」をやっていることが多いのですが、 「どれくらい長く動けるか?」という観点で自分の体力水準を測ってみることがオススメです。人それぞれ基礎体力は違うので、マラソン初心者の方でもスタート地点は異なりますからね。
どれくらい「動けるか?」「歩けるか?」はマラソンにおいてはとても大きな基準になります。その先に「どれくらい走れるか?」があります。この基礎体力の部分を見誤るとトレーニングの負荷が強すぎたり、逆に弱すぎたりすることがあるので、見栄を張らず&遠慮もせずに今の自分の体力水準をきちんと見極めることが重要です。
【STEP2 現在地の確認】
その3:時間の設定
3つ目は「時間の設定」です。なりたい自分(目標タイムなど)になるためにどれだけ時間が必要かを考えます。もちろん時間があればあるほど余裕を持ったトレーニングスケジュールを組むことができますし、時間の余裕がなければタイトなスケジュールになります。縦軸に走力、横軸に時間というグラフの中で、”今の自分(現在地)”と”なりたい自分(目標)”をプロットしてみてください。その両者を結ぶと一本の矢印ができますよね。 矢印の傾きが目標達成の難易度です。傾きが大きければ大きいほど目標達成の難易度が上がりますし、難易度を下げたければ「目標を下げる」か「時間を長くとる」必要があるのがわかりますよ。
市民ランナーのコーチをはじめて 15年が経とうとしていますが、このイメージを持たずに漠然とこの大会でこの記録を出したい!という方が結構いらっしゃるなと感じてきました。そんな時は必ずヒアリングをして
・どれくらいのタイムを出したいのか?(目標の設定)
・最近はどんな練習ができているのか?最近のマラソン大会のタイムは?(現在地の確認)
・どのレースでそのタイムを出したいのか?(時間の設定)
を明確にするようにしています。明確にすることで、目標設定が無謀だったとか、かなり頑張らなくちゃこのタイムは出ないとか、そういったことに気づけます。そこから具体的なメニューのお話をしても決して遅くはありません。むしろこの過程を経ずに「どんな練習をすればいいですか?」と突然聞かれても非常に答えにくい(適切なアドバイスができない)です。
この3つのポイントは意識しているかしていないかだけの問題なので、決して難しいことではありません。むしろ基礎基本です。自分自身でこういった3つのポイントをぜひ確認してみてください。
【STEP3 時間の設定】
目標達成のために押さえておくべき”もう一つ”の大切なポイント
3つのポイントについて説明しますといっておきながら、もう1つだけ大事なポイントを付け加えたいと思います。これじゃぁ、4つのポイントですね〜(笑)
4つめのポイントは「達成状態の確認」です。目標は想像できうる中で最も高い「なりたい自分」を描いてくださいとお伝えしましたが、トレーニングを続けていく過程でどうしてもその目標が見えにくくなったり、目標に対しての願望が弱くなったりします。そんな時におすすめなのが 達成しやすい小目標を設定することです。
最終目標の途中経過、つまりその時点でどうなっていたいたいかということを決めることです。具体的には目標のレースに向け前段階で練習の一環としてレースに出ることがありますよね。そういったレースの中でどれくらいのタイムを出したいかの目標を設定し、それがどれくらい叶ったかを評価します。
各時点で自分が掲げたゴールに対してどれくらいの達成度か?を確認する癖をつけるようにしてください。
【STEP4 達成状態の確認】
まとめ
いかがだったでしょうか?こんなの当たり前じゃんと思った方はお許しください。そう、当たり前のことなんです。ただ、迷ったり悩んだりしている時は、この観点が抜けていることがあり、こういった基礎基本に立ち返ると結構すっきり解決できることも出てきます。
・目標の設定
・現在地の確認
・時間の設定
・達成状態の確認
なにも難しいことではありません。むしろ当たり前のことです。んが、案外おろそかになっている人をたくさん見てきましたよ。自分の胸に手を当てて、自らのトレーニングと3つのポイントがずれていないかチェックしてみてください。
May 29, 2019/トレーニング/サブ3サブ4トレーニングマラソン